★量子の観測行為とは次のような物理的現象のことを指す
量子の波動関数は時間が経過すると共に空間に広がっていく。
それがたとえ宇宙全体に広がったとしても、量子が観測され
ると瞬時に収縮し、観測装置に量子の痕跡を残す。
★この現象に対して、従来次のような解釈がなされてきた
空間全体に広がる波動関数は量子の存在確率波である。
存在確率波は量子が発見されうる確率を空間座標上の位置の
関数として表したものであり、量子はその位置でその確率で
発見されうることを示す。
観測するという行為は、存在確率波で予測されていた量子の
位置やおおきさなどが観測によって確定される事を意味する。
観測する行為が量子の存在確率波の収縮を引き起こし、量子
が観測された位置では、量子の存在確率が1、他の位置では
0となり、量子の位置などは確定される。
★従来の観測行為の解釈には無理な部分がある
しかし、この従来の解釈では波動関数の収縮の速度が光速を
超えていたり、波動関数がなぜ収縮するのかの理由が定かに
なっていない等、解釈においてかなりの無理な部分がある。
<そこで、以下の新たな解釈を提案する>
★前提一:量子の位置や大きさは相対的物理量である
量子は単独ではその位置や大きさなどの物理量を持つこと
ができない。
なぜなら、それらの物理量は他の量子との相互作用の際に
だけ定義可能な相対的物理量だからである。
★前提二:観測装置はマクロな物体で構成されている
観測行為で使用する観測装置は、多くの量子の集合体で
あり、マクロな物体で構成されている。
マクロな物体の物理的特質は古典力学で近似でき、その
位置や大きさなどの物理量は、ある程度客観的に決定され
ていると言って差し支えない程度である。
★前提三:観測行為は量子と観測装置との相互作用である
観測行為とはミクロな量子とマクロな観測装置とが相互に
作用した結果を記録することである。
量子単独ではその位置や大きさなどの相対的物理量を定義
することができない。
しかし観測装置は物理量がある程度客観的に決まっている。
そのため量子が観測装置と相互作用した場合、量子の位置
や大きさなどを観測装置との相対的な物理量として決定し
かつそれを記録することが可能となる。
★結果:上記より観測行為を次のように解釈することができる
観測するまでは、量子はその位置や大きさなどの相対的な
物理量を持たない。
観測した時にのみ、量子の位置や大きさなどは、観測装置
との相対的な物理量として決定され、かつそれを記録する
ことができる。
このことが、たとえ観測前に宇宙全体に広がっていた量子
の波動関数であったとしても、観測時に瞬時に一点に収縮
するように見えることの原因である。
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